第153回日商簿記検定2級試験に落ちた人による自己採点(大問2:空欄推定)その1

こんにちは、カドです。

前回の記事に引き続き11月に行われた簿記2級試験の事故自己採点をして参ろうと思います。

大問2

今回は大問2。

私は簿記2級の試験を今回の1度しか受けてませんが、第153回に関して私の体感的に言えば簡単でした。

理由はテキストを読み込む勉強をしていたことと、仕事で経理実務をしていることではまったのだと思います。

大問2の出題頻度として言えば、過去20回を遡ると株主資本変動計算書(5回)・有形固定資産(4回)・銀行勘定調整表(4回)がベスト3でした。

その為、今回の様な空欄推定(単語を語群から選択する問題)はこれまでの出題傾向から見てもかなりレアなケースだったということがわかります。

(1)(税金)

(1)は税金関係の内容でした。

法人税

法人税は国に納める国税であるのに対して、住民税及び事業税は各都道府県市町村に納める地方税と大きな括りで分類することができます。

法人税等(法人税、住民税及び事業税)は税法上の利益に税率をかけることで算出されます。この税法上の利益こそが、課税所得なのです。

課税所得は大問1の自己採点の際にも少し触れましたが、1年間に発生した税務上の益金(会計上の収益)から税務上の損金(会計上の費用)を差し引いて計算することができます。

ここで会計と税務にはどんな違いがあるんだ?という疑問が湧くかと思います。そんな方のために参考章に賞与引当金の会計・税務処理方法に関するリンクを載せておきますので、是非とも読んで理解を深めてください。

消費税

10月に10%となったばかりの消費税。この消費税の経理処理は2パターンに分けることができます。

上図に示す様に、税込方式は仕訳を切る時に仕入又は売上額と消費税を分けない一方で、税抜方式は別々で計上するのです。

売り上げた時に受け取った消費税から仕入等をした時に支払った消費税を差引き、受け取った消費税が多ければ納税しなければならず、支払った消費税が多ければ、還付してもらう必要があります。

税込方式では今回の例題の場合ですと、納税義務が発生しているので借方に租税公課(費用の増加)を、貸方に未払消費税(負債の増加)を計上しております。仮に還付してもらう権利がある場合については未還付消費税(資産の増加)を借方に、雑益(収益の増加)を貸方に計上します。

※りんごは食料品なので、軽減税率対象で消費税率8%が適用されます。

(2)(売上の計上基準)

(2)は売上の計上基準の問題でした。

売上の計上基準とは、どのタイミングで売上を計上するかを3つの標準で定めております。

私が利用していた滝澤ななみさんの商業簿記テキストにももちろん記載はありましたが、三分法の章(p55)で参考程度で目立たない表記だったので、不意を突かれた方もいらっしゃったのではないでしょうか?

そこで、この売上の計上基準3種類について私がテキストの内容をまとめて、わかりやすくお伝えできればと思います。

引渡基準

引渡基準は、商品が相手に渡ったタイミンで売上計上を行います。小売店などの店頭販売でよく用いられます。

出荷基準

出荷基準は、その名の通り商品を出荷したタイミングで売上計上を行います。遠方への商品販売で用いられます。

検収基準

検収基準は、納品先が商品の数量・品質を確認した上で送付した検収書の受領等、納品先の通知を受けたタイミングで売上計上を行います。

売上計上の早さは???

上図に示しています様に、一番早い売上の計上基準は引渡基準です。店頭にお客さんが来て、支払いを済ませたら売り上げを計上するのが一番早いです。

出荷基準は顧客から注文を受けて発送するまでにタイムラグがありますので、引渡基準には及びません。

一方最も遅いのは、検収基準です。これは顧客の検収通知を以って売上を計上しますので、一番時間がかかります。

今回の試験で出題したので、次回での出題可能性は高いとは言えませんが、覚えておいて損はありませんので頭の片隅にでも置いておいてください。

(3)(合併と無形固定資産)

(3)は合併と無形固定資産の分野でした。

問題文に「合併の対価が合併によって受け入れられた資産から負債を差し引いた純資産額を上回る場合」とありますが、考えれば考えるだけ訳が分からなくなりますね。

合併時の処理

出典:いぬぼき 合併と買収

https://inuboki.com/2kyuu_syoubo/chapter8-4.html

上図にもあります様に、吸収合併をする時は、合併法人(合併する会社)は被合併法人(合併される会社)のA】資産と負債を時価(その時の価値)で受け入れるとともに、被合併法人の株主に対して新たにB】株式(主に資本金:純資産)を発行します。

このAとBを合算した時に、発生する借方−貸方の差額こそが“のれん”です。

こんな説明じゃ分からないでしょうから、例題を使って説明をして参ります。

例題
A社はB社を吸収合併し、B社の株主に対して新株を10株(発行時の時価は@80円)で発行し、全額を資本金として処理した。なお、合併直前のB社の資産·負債の公正な価値(時価) は諸資産2,000円、諸負債1,400円であった。
引用:スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記(滝澤ななみ:TAC出版)p26 CASE10

上記の場合、B社の正味の純資産の額は(資産)2,000−(負債)1,400 = 600円となるのですが、合併時に発行した株式800円(@10株×80円:純資産)を貸方に計上することで、借方合計2,000に対して、貸方合計は2,200(1,400+800)となり貸借不一致になります。

この差額である200円を資産の増加として、のれんで借方に計上するとどうでしょう。貸借一致しましたね。

問題文で言うところの「合併の対価が合併によって受け入れられた資産から負債を差し引いた純資産額を上回る場合の超過額」こそが、貸借不一致の原因である200円であり、この200円こそがのれんです。

のれん

この「のれん」は、本来のB社の価値に加えて200円価値が増加していることを表します。この付加価値こそが「のれん」なのです。

本来の価値で吸収合併するくらいなら、A社単体でB社の事業を始めればいいのです。ただ、本来の価値以上の対価を支払ってでも吸収合併するほどA社はB社に対して、ブランド価値を感じているということになります。

無形固定資産

記述しました「のれん」の様に目に見えるモノとしての価値はないが、長期的に保有することでプラスの効果をもたらす資産を無形固定資産と呼びます。

プラスの効果とは、売上の増加や費用の削減が分かりやすい例でしょうか。

この他に特許権や商標権が無形固定資産の代表例として挙げられます。

無形固定資産の償却

無形固定資産も有形固定資産と同様に、償却をする必要があります

ただ、のれんは有形固定資産の様に価値が目減りするという意味とは異なり、未来永劫の優位性が約束されたブランド価値はないとの意味合いで、最長20年の範囲内で定額法で償却するようにと日本の会計基準では定められています。

上図も踏まえて、のれんをはじめとする無形固定資産の償却方法とは「残存価額なしで、20以内に定額法で償却し、直接法で記帳しなければならない」ということになります。

負の「のれん」

問題文にある「合併の対価が合併によって受け入れた純資産額を下回る場合」というのは、4−1でも示した逆のパターンで、時価よりも少額な金額で合併したというケースです。

これを時価額以上の金額で吸収した場合を正として、「負ののれん」と呼びます。

問題ではこの「負ののれん」を損益計算書のどの区分に計上するかを問われています。

負ののれんに関する詳しい内容は参考章にリンクを載せておきますので、 お時間のある方はご一読下さい。

損益計算書への計上

「正ののれん」が貸借対象表の無形固定資産へ計上するのに対して、「負ののれん」は損益計算書の特別利益へ計上します。

特別利益とは

会社経営において、企業の業務内容に直接かかわりがなく、特別に発生した金額的にも大きな利益。

野村証券 証券用語解説集( https://www.nomura.co.jp/terms/japan/to/extraordinary_gain.html )

加えて、本業から出る営業利益と分ける理由は、企業本来の収益力を明確化する為のようです。

なぜ利益?

なぜ利益?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、買収先の純資産よりも安い価額で買収できたことによる儲けと考えれば、理解しやすいと思います。

まとめ

ここまでで6問中5問が正解と上々の滑り出しを見せているカドです。
残りは(4)があるのですが、全体のバランスを考えた際に文量がかなり多くなってしまいますので、一旦ここで打ち切らせて頂き、その2へ回させて頂きます。

ここからの凋落ぶりに乞うご期待。

以上よろしくお願いいたします。

参考

1_簿記2級過去の出題範囲(簿記検定ナビ)
2_153回日商簿記検定の回答(パブロフ簿記)
3_税金の種類(簿記検定ナビ)
4_スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記 第11版(滝澤ななみ:TAC出版)
5_賞与引当金の会計・税務処理(走るCPA)
6_のれん(スキマ時間で簿記2級!)
7_無形固定資産(スキマ時間で簿記2級!)
8_負ののれん(M&A総合研究所)