第153回日商簿記検定2級試験に落ちた人による自己採点(大問2:空欄推定)その2

こんにちは、カドです。

前回の投稿に引き続き、第153回日商簿記検定2級試験の大問2の事故自己採点をしていこうと思います。

(4)有価証券

(4)は有価証券についての問題でした。

ご覧のように半分しか取れず、語彙だけでも全て正解したかったのですが、理解不足でした。

今回は、問題で扱われた内容を中心に有価証券について書いていきたいと思います。

有価証券の分類

有価証券には大きく分けて「売買目的有価証券」、「満期保有目的有価証券」、「子会社株式・関連会社株式」、「その他有価証券」の4種類があります。

売買目的有価証券

売買目的有価証券は日々変動する時価を利用して、短期的に利益を上げることを目的として保有する株式や社債のことです。

利益を得るためには、安く価額で買って高い価額で売る必要があります。

リスクが高い一方で、リターンも高い有価証券と言えます。

満期保有目的債券

満期保有目的の債券は満期まで保有する意思を持って所有する債券のことで、国債や社債が主です。

定期的に利子を受け取りつつ、額面金額が返還されるので安定的に利益を得られますが、利益は売買目的有価証券と比較すると見劣りします。

子会社株式及び関連会社株式(関係会社株式)

子会社株式及び関連会社株式は株式や債券とは異なり売却ではなく、支配が主な狙いになります。

この両者の違いというのは、株式の保有率です。

子会社の場合は51%以上の株式保有率なので、親会社の完全支配下にあるので、意思決定権を掌握している状態です。

一方、関連会社の場合は20%以上50%以下の株式保有率なので、完全支配とまでは言えないものの、親会社が影響力を持っている状態です。

その他有価証券

一般的には上記の3分類に該当しないものである有価証券です。代表的なものとして下記のような代表例が挙げられます。

①相互持株会社(業務提携のため)
②長期間の保有(配当や利息の利回り狙い)
③取引先との関係維持(円滑な取引の実現)

各有価証券の決算時の処理

有価証券はその名の通り価値のある(有る)証券(財産法上の権利・義務の記載がされた紙片)です。価値というのは日々変動していくため、取得時と決算時で同じ有価証券でも価値が変わっている場合が多いです。

取得時については、その時点での有価証券そのものの価値に証券会社へ支払う手数料等の付随費用を取得原価として処理し、貸借対照表へ計上します。

有価証券の種類にもよりますが、決算のタイミングで簿価(帳簿価格の略称で、会計上記録されている資産や負債の価値)を時価(現在の価値)に合わせる処理をする必要があります。

売買目的有価証券の決算処理

売買目的有価証券の場合は、評価替えといい決算時に時価に修正をする仕訳を切ります。

簿価より時価が高ければ、売買目的有価証券(資産の増加)/有価証券評価益(収益の増加)と処理しますし、簿価より時価が下がれば、有価証券評価損(費用の増加)/売買目的有価証券(資産の減少)と計上する必要があります。

満期保有目的債券の決算処理

今回出題されているのが、満期保有目的債券にかかわる問題でした。

私が使用していた”スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記 第11版(滝澤ななみ:TAC出版)” のp212では、 満期保有目的債権の決算処理仕訳について下記のようにまとめられています。

満期保有目的債権の決算時の仕訳
満期保有目的債券は満期になるまで保有する為に、決算のたびに評価替えをする意味がないために評価替えはしません。ただし、額面金額(債券金額)よりも低い価額、または高い価額で社債などを購入したときに生じる額面金額と取得金額の差額が、金利を調整する差額(金利調整差額)であるときは、償却原価法で処理します。
金利調整差額

金利調整差額とは、社債を購入する人が不利とならぬように、割引発行した際の額面金額と発行金額の差額のことです。

償還期間1年の社債10,000円の金利が3%、1年満期の銀行預金10,000円の金利が5%とした場合を例とします。

このケースでは1年後返還される金額は社債が10,300円で預金は10,500円となるために、社債を購入するメリットがなく、誰も社債を買おうとしません。

そこで、10,000円の社債を9,500円で発行するとどうでしょう?

社債:9,500円で購入・・・10,300円で返還(+800円)
預金:10,000円で購入・・・10,500円で返還(+500円)

こうすると、買い手側の中には社債を購入したいと思う方が出てくるでしょう。

このように社債は利率ではなく、割引発行によって金利差を調整する場合があります。

償却原価法

前章で示した差額が正式な金利調整は差額と認められた場合は償却原価法を適用して有価証券利息を計上して、購入金額(9,500円)を額面金額(10,000円)に近づけていく処理をします。

なぜなら、返還される金額は額面金額に利子を乗せた金額であるからです。

償却原価法には定額法と利息法があるのですが、ここでは2級では定額法を扱います。

償却原価法(定額法)の公式
金利調整差額の当期加減額=金利調整差額(額面金額ー取得価額)×当期の所有月数/取得から満期までの月数

それでは、上記公式をもとに問題文で求められている満期保有目的有価証券の貸借対照表価額を求めてみましょう。

問題文
20×1年に社債1,000,000千円を額面100円につき99.00円にて償還期日20×6年3月31日まで保有する目的で購入する。ここで定額法を適用したとすると、20×3年3月31日時点での長期保有目的の債券の貸借対照表価額は?

今気づいたのですが、私は回答すべき償却後の金額である994,000(千円)ではなく、償却額である4,000(千円)を回答してしまっていました。

あぁ、なんというポカを。。。

回答がすぐそこまで出ていたのにもったいないですね。

その他有価証券の決算処理

その他有価証券は、いつかは売却するものと考えて決算ごとに時価で評価するのですが、売買目的有価証券のように評価額次第ではすぐにでも売却するわけではないので、帳簿価額と時価との評価差額は費用または収益計上しません。

また、全部資産直入法と部分資産直入法の2つある評価差額の処理方法のうち、全部資産直入法を2級では採用しております。

”資産”とありますように、全部資産直入法では評価差額をその他有価証券評価差額金(純資産)で計上します。

簿価より時価が高ければ、その他有価証券(資産の増加)/その他有価証券評価差額金(純資産の増加)、簿価のほうが時価よりも高ければその他有価証券評価差額金(純資産の減少)/その他有価証券(資産の減少)という風に処理します。

まとめ

問2の獲得点数としては、7割でした。

ただ、試験当日この問題を見た時に「これは9割もらった!」と思ったにもかかわらず、この点数は残念な結果と言えます。

合併・無形固定資産と有価証券で点を落としてしまったので、その分野の勉強不足だったと言えるでしょう。

11月の出題のため、2月の出題可能性は低いと思われますが、不意を突かれないように時間のある方は勉強してみてはいかがでしょうか?

以上よろしくお願いいたします。

参考

1_スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記 第11版(滝澤ななみ:TAC出版)
2_第153回日商簿記2級の問題と解答 (パブロフ簿記)
3_満期保有目的債権(money forwardクラウド会計)
4_債券の魅力とリスクについて(岡三証券)
5_子会社株式と関連会社株式(スキマ時間で簿記2級!)
6_その他有価証券とは (スキマ時間で簿記2級!)
7_証券とは(コトバンク)
8_満期保有目的債券(簿記2級独学(仮))
9_金利調整差額の具体例(簿記検定ナビ)