第153回日商簿記検定2級試験に落ちた人による自己採点(大問5:組別総合原価計算)

どうも、カドです。

ようやく自己採点も大詰めの最終問題までやってきました。

(5)組別総合原価計算

大問5は組別総合原価計算の問題でした。

この分野も理屈を理解していなければ、回答が難しい問題です。

まずは自己採点をする前に組別総合原価計算について簡単に整理することとしましょう。

総合原価計算の分類

総合原価計算は製品を継続的に大量生産する場合に用いる原価計算方法です。

ただ、下図のように同じ総合原価計算でも工程や製品の種類や製品の規格で種類の違う計算方法があり、自社に合わせた計算方法を適用させます。

組別総合原価計算

同じ製品の大量生産時は(単純)総合原価計算を適用させますが、今時、単一の製品で勝負している企業なんてほとんど聞いたことがありません。

例えば、「トヨタ 自動車」とネットで検索をかけた場合、乗用車だけでも58種類出てきます。

このように大方は、外見や機能や色に違いを持たせ、他社との差別化を図って多様な製品を生産している企業が多いことでしょう。

前章で図にもまとめておりますが、このトヨタのように同じ製造ラインで異種製品を大量生産する場合に用いられる総合原価計算が組別総合原価計算です。

問題と回答

ぱっと見簡単そうな問題のように感じて、回答を出すところまでいけたのですが、解答速報と自分の回答を照らして全然違っていたので、これは合格は無理だと察しました。

解答

さて、それでは解答を記していきましょう。

加工費の算出

まずは問題文から加工費を算出します。

問題文より「加工費は機械稼働時間に基づいて各製品に配賦している」とあります。

そして、問題の資料3に、当月の原価データに加工費1,312,000円があり、資料4の機械稼働時間にはA製品に16,250時間、B製品に11,100時間とあるので、稼働時間を元に加工費を按分します。

するとA製品は780,000円B製品は532,800円の加工費を原価として計上すべきということが分かります。

ここまではできていたんですよ、ここまでは。

原価の算出(製品A)

次に前章で算出した加工費をもとに製品A全体の原価を計算していきます。

まずは、仕掛品の原価計算です。

問題文にありますように、製品Aの仕掛品数量は月初残0本で当月完成52,000本なので、当月に52,000本製造して、全てが完成したことが分かります。

すると、解答用紙に記載されている材料費1,404,000円と先程計算した加工費780,000円を足した2,184,000円が当月の仕掛品製造原価であり、当月完成した製品の原価であることが分かります。

次に、製品の原価ですが、問題文の指示通りA製品における月初の製品原価は220,000円、当月完成原価が先程記したように2,184,000 円。

次に月末に売れ残った製品の原価は問題文の指示にあるように“先入先出法”で計算します。つまり、先に製造したものから売れていくものという考え方です。

となると、月末の在庫量は問題文の通り3,000本なので、当月製造した52,000本のうち3,000本が売れ残ったと考えます。

すると、月末残製品原価は2,184,000円(当月完成原価)×3,000本(月末製品残数)/52,000本(当月完成製品数)=126,000円となります。

そして、当月の製品売上原価は220,000円(月初製品原価)+2,184,000(当月完成品原価)-126,000(月末残製品原価)=2,278,000となります。

原価の算出(製品B)

製品Aと同様に、製品B全体の原価を計算してまいります。

製品Bは問題資料にありますように、月初の仕掛品は0本で当月完成は29,000本である一方で、未完成の仕掛品が2,000本あることが分かります。

ただ、一つ注意点があります。

問題文の注意書きにもありますように、材料は工程の始点で投入してありますので製品1つあたりの原価が製造工程の進捗具合で変化することはないので製品2,000本に対する材料費を計算すればよいのですが、加工費については直接工の賃金や動力用水光熱費のように工程の進捗度合いで製品1つあたりの原価が変化します。(進捗度が高いほど原価が高くなる。)

その為、問題文のB製品の仕掛品における月末在庫量の隣に(30%)と記載してある、加工進捗度をもとに計算した、月末仕掛品600本に対して加工費を計算する必要があります。(2,000本×30%)

すると仕掛品の数量と原価はどのようになるでしょうか?

数量は記述しました様に、完成品は29,000本、月末仕掛品2,000本(材料費)・600本(加工費)で、月初の仕掛品は0本なので、当月投入の仕掛品は31,000本(材料費)・29,600本(加工費)となります。

原価は当月投入製造原価の材料費は解答用紙記載の1,085,000円、加工費は“加工費の算出”章で計算した様に、532,800円となります。(合計:1,617,800円)

次にB製品の月末仕掛品も先入先法で計算します。

まず材料費の月末仕掛品原価は1,085,000円(当月投入原価)×2,000本(月末製造残数)/31,000本(当月投入数)=70,000円となり、次に加工費の月末仕掛品原価は532,000円(当月投入原価)×600本(月末製造残)/29,600本(当月投入数)=10,800円となります。(合計:80,800円)

完成品原価については、材料費が0円(月初仕掛品)+1,085,000円(当月投入原価)-70,000円(月末仕掛品原価)=1,015,000円加工費が0円(月初仕掛品)+532,000円(当月投入原価)-10,800円(月末仕掛品原価)=522,000円となります。(合計:1,537,000円)

次にB製品の原価を計算します。

問題文の資料1、3にB製品の月初製品は2,000本で原価は112,000 円とあり、資料2に当月完成製品は29,000本で原価は仕掛品の原価計算時に算出した様に、1,537,000円です。

B製品の月末残製品原価についてですが、問題文の資料1を見ていただければわかるように3,000本となっております。この原価については先入先出法で計算します。

1,537,000円(当月完成原価)×3,000本(当月製品残)/29,000本(当月完成数)=159,000円(月末残製品原価)

となると、売上原価は112,000円(月初製品原価)+1,537,000円(当月完成品原価)−159,000円(月末残製品原価)=1,490,000となります。

解答

組別総合原価計算表については、最初に計算した加工費と計算ボックスで算出した原価をそのまま計上すれば良いです。

月次損益計算書については計算が必要です。

売上高は資料2あります様にA製品は54,000本(販売品)×120円(販売単価)=6,480,000円とB製品の28,000本(販売品)×140円(販売単価)=3,920,000を足した、10,4400,000 円となります。

その他項目の計算は以下の通りです。

月初製品棚卸高:220,000(A製品)+112,000(B製品)=332,000
・当月製品製造原価:2,184,000(A製品)+1,537,000(B製品)=3,721,000
月末製品棚卸高:126,000(A製品)+159,000(B製品)=285,000
・売上原価:332,000(月初製品棚卸高)+3,721,000(当月製品製造原価)-285,000(月末製品棚卸高)=3,768,000
売上総利益:10,400,000(売上高)-3,768,000(売上原価)=6,632,000

まとめ

完全なる理解不足でした。自分の中ではテキストの問題を何度か解いていたので理解していると思っていましたが、過去問などの原価計算関連の問題を解いて様々なパターンに対応できる様にしておくべきだったと思いました。

捻りのない問題だったので、計算方法さえマスターしていればと思うと悔いが残ります。

ここまでの自己採点を通して分かったことは、いかに自分自身が内容を理解したつもりになっていたかということです。日頃から問題を解いて、自分の理解度をチェックすることが私には足りていなかったことが分かりました。

また、過去問を一切解いてなかったので、過去問を解くことの重要性も実感しました。

簿記2級という資格は、試験問題で7割を獲得することで、取得することができます。

だからこそ、日ごろから実践を想定した、問題を解く訓練が必要でしたし、そこを蔑ろにし、テキストを読み込むことに重点を置いた勉強をしたから、私は7割に達することができなかった。ただそれだけのことなのです。

以上よろしくお願いいたします。

参考

1_ スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記 第8版 (TAC出版:滝澤ななみ)
2_大問5回答(Net-School)
3_トヨタ車ラインナップ(トヨタ自動車)
4_組別総合原価計算(いぬぼき)
5_按分(あんぶん)(マイナビ フレッシャーズ)
6_153回  簿記2級 問5 (簿記検定ナビ)